メジャー4年目で「最低3割」掲げる青木宣親 自信の裏にあるもの
名将ボウチー監督も「起爆剤」と呼ぶ存在、昨季よりも好感触をつかむ打撃
「打撃は、そんな“つかんだ”なんて言葉では言えないくらい、絶対に難しいものだと思うんだけど、ただ、いい感覚があったのは間違いないです。11安打したのも、自分でも神懸かっていたと思うとはいえ、理由はあって。それは間違いなく、今後いい方向にいくものだと思うし、すごく自信になりましたね」
この春、オープン戦が始まった当初はなかなか安打が出ない時期が続いた。それでも本人が言い続けたのは「去年よりいい打撃ができている」ということ。オフ期間中に、昨年9月に得た手応えをしっかりと体に染み込ませ、より高いレベルで安定した成績を残すための準備を積んだ事実が、自負や自信に昇華したのだろう。
年間を通じてみれば、打率には必ず浮き沈みがある。毎年200安打や3割という数字を1つの目安に掲げているが、先日「3割」という数字を聞かれた青木は「最低でもそこ(3割)は打ちたいよね」と言った。到達点としての3割ではなく、そこを超えるだけの自信があるということだろう。
スロースタートだったチームも、今では勝率5割を大きく超え、混戦西地区で2位に浮上している。ボウチー監督が「Catalyst(起爆剤)」と呼ぶ青木のバットは、ジャイアンツ打線に不可欠なものになるはずだ。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato
佐藤直子 プロフィール
群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。