楽天・松井裕樹が初の巨人戦でつかんだ自信 成功のカギを握る球は?
光ったチェンジアップ、松井がこの登板でつかんだものとは?
光っていたのはチェンジアップだった。11セーブを挙げたこれまでの試合すべてで精度が高かったわけではない。球団関係者は「初めての巨人戦だったから松井は力が入っていたように見える。でも、かえってそれが良かった。チェンジアップはいかに腕を力強く投げられるかがポイントだから」と語った。
チェンジアップについて補足しておこう。
この変化球はストレートと同じフォームから投げ、速球に比べて低速で自然落下させるボールである。打者はストレートを狙っているところで遅い球がくると、体を前に出され、フォームを崩してしまう。相手の不意をつくことが狙いの球種。チェンジアップと相手にばれたり、狙われてしまったら、遅いストレートとして簡単にとらえられてしまう。
そのため、投げるフォームが重要で、習得が難しい。ストレートと全く変わらない力強さが必要で、リリースの瞬間だけ力を抜き、回転数を抑えないといけない。全体的に力が抜けるようにしてしまえば、相手にチェンジアップが来ると分かってしまう。ただ、この時の松井は巨人の強打者の前にいつも以上に力が入っていた。その分、バッターにはストレートが来るように映った。
「気持ち全開でいきました」
この一戦で松井が得た手応えとチェンジアップの力の強弱の感覚が、これからの投球に大きく生きていくだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count