史上空前の“混セ” 抜け出す球団はどこ?
阪神は戦力充実、中日がコケれば次はDeNA、巨人が危ない?
そして、野口氏が「一番バランスは取れてる気がします」と表現するのは阪神だ。
「(投手陣では)メッセンジャーが復活して、先発は藤浪、能見、岩田といる。呉昇桓、福原と後ろは問題ない。欲を言えば、左が1人欲しい気がしますけどね。そこは榎田が復活してくれるか。今年は加藤康介が故障したのもいけないんです。でも、『(加藤が)絶対に必要とされるときは来る』と和田監督は言ってましたから。それは今からになると思いますよ。榎田か康介がなんとなってくれれば」
打線も好調の福留が3番に入ってから、機能している。
「福留は元々、力はありますから、このまま行ってくれますよ。ただ、和田さんの中では、福留の3番はあまり好ましくないらしいんですよ。福留、ゴメス、マートンと置いた時に、6番に打てる打者がいないと避けられてしまうので。それがもったいない。和田監督は『だから、福留はあの2人の後を任せたいんだ』と言っていました。
今年は福留の状態がいいみたいなので、なおさら(外国人)2人のあとを打たせたいみたいです。福留が駄目で6番というわけではなくて、全員を生かすための6番だと。それが3番に入って打ち始めたっていうのは、和田さんはちょっと複雑な感じはしてると思います。ただ、今成とか新井良太が(6番に入って)もうちょっと結果が出てくるんだったら、問題ないですね。鳥谷が1番を打って、上本が2番に入れば、1~6番くらいまでは全く穴のない打線になりますから」
戦力的に見ても、阪神が抜けていくという状況は十分に考えられる。ただ、仮にそうなったとしても、それは他チームがあまりに厳しい状況だからこそ起こる現象になると野口氏は見ている。
「阪神が走るのではなく、周りが落ちていきそうな気がします。1つ落ち、2つ落ちとなっていく。中日がここで歯止めをかけないと、まさにそうなってしまいますよね」
序盤戦で首位争いを繰り広げていた巨人、DeNAが落ちていく可能性も「十分にありえます」という。
「中日が完全に落ちてしまったら、次の(落第)候補はその2球団かもしれないですね。クライマックスシリーズに進むチームが阪神、広島、ヤクルトというのも、ある話になってきましたよね」。
今年のセ・リーグは何が起こってもおかしくないと言えそうだ。
DeNAが快進撃を見せ、巨人がそれを追う展開となった序盤戦には誰も予想できなかった結果に終わる可能性もあるのか。史上空前の混戦となったセ・リーグから目が離せない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count