ミスター社会人・西郷泰之の飽くなき挑戦
ここまで通算本塁打タイ記録の14本塁打、記録更新にも期待がかかる
「想像ですが、そのような広い視野で自分の野球を見つめた際に、まだ足りないという不満足感というものが毎年起きているのではないかと思います」。気が付けば、年齢を重ね、世界大会はプロでもいける時代になった。ただ、そういう背景の中に、西郷のように時代と戦った男もいたということを小島氏は野球ファンに知ってもらいたいと話す。
「寡黙な性格ですが、バットで人を引っ張るタイプの男で、勝負強さは群を抜いていますし、チームの勝利を第一に考えられる人間性は素晴らしいものがあります。今大会も本塁打記録がかかっていますが、おそらくホームランを打ちたいという気持ちよりも好きな野球を長くやりたいと現役にこだわっているのではないでしょうか。
正直、全盛期の彼の技量からすると衰えもあります。ただし、若手の成長、模範となる意味では、彼が泥にまみれて一生懸命にプレーをする姿を見せることで、何人ものアマ選手が育っていることも事実です」
多くのプロを輩出してきた都市対抗野球。今大会の西郷には通算14本塁打の大会記録更新にも期待がかかる。明日のスターだけでなく、一人の男が一打席にかける様も見届けてほしいものだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count【了】