【高校野球】苦しんできた仙台育英のプロ注目選手 佐藤世と平沢は甲子園で復活するか
宮城大会の成績は芳しくなかった佐藤世と平沢
仙台育英のプロ注目選手である佐藤世那と平沢大河。ともに、宮城大会の成績は芳しくなかった。果たして、甲子園では活躍できるのか?
昨秋の公式戦では全16試合に先発し、県大会では37回1/3連続無失点を記録するなど、まさに大黒柱の活躍を見せた佐藤世。しかし、冬場に右ヒジを痛めていた影響で春以降は思うような投球ができていない。
冬場に続き、春の東北大会以降もノースローで調整するなど、夏の宮城大会を万全で迎えられるよう取り組んできた。時には左で投げることもあった。結局、6月の練習試合は1試合も登板せず、宮城大会直前に2イニングを投げたのみで夏本番を迎えた。
今夏初登板は3回戦の大河原商戦。先発で4回を1安打に抑えた。しかし、準々決勝では初回から3連打を浴びるなど、2回を投げ、6安打2失点。準決勝も初回から連打と四球で満塁とすると、押し出し四球を与え、1アウトもとれずに降板した。
この日、グラウンドに戻ってから開かれたミーティングで佐々木順一朗監督は選手たちに訊ねた。
「7割方、明日(決勝)は世那を先発させようと思っている。お前たちはどうしたい?」
佐々木監督は昨秋から佐藤世がチームをけん引してきたことを挙げ、「甲子園に行くなら百目木(優貴)を投げさせた方がいい。でも、(世那に)不安を残したまま甲子園に行くことになる。(世那は)どれだけ打たれるか分からないから、打ち勝つしかない。それでもいいか?」と話したという。
今春のセンバツ大会では敦賀気比に1対2で敗れている。不調の佐藤世に打線は応えられなかった。だが、宮城大会の決勝は20点、30点、取られても、それを上回る得点を挙げろ――。こうメッセージを送った。
こうした監督と選手のやり取りの中で、佐藤世は「正直、どうしていいか分からず、不安がありました。でも、先生(佐々木監督)が気を遣って言ってくれて嬉しかったです。何とかするしかないと思いました」と振り返る。自宅に帰ると、シャドーピッチングと坂ダッシュをして翌日に備えた。