ヤクルトに現れたサブマリン 57年ぶりの開幕5戦5勝、山中はなぜ勝てる?
球速は120キロ台中盤、「いかに球を遅く見せるか」
昨季は中継ぎをやっていたが、今季は1年目以来となる先発に挑戦。そこでテーマとして設定したのが、「いかに球を遅く見せるか」だ。
現代は150キロ台の直球をバンバン投げ込む速球全盛の時代。しかし、山中自身の球速は120キロ台中盤。スライダーやシンカーを織り交ぜながら緩急もつけるが、もう一つ変えているのは投球動作に入ってからリリースまでの時間だ。「ボールを投げる間を大事にしています」と言うように、フォームを少し遅らせて投げたり、リリースの位置を微妙に変化させたり、打者によって工夫して投げている。
そのために大事にしているのが「おしり」のトレーニング。フォームで強弱をつけるためには、下半身でしっかり粘ることが必要になる。シーズン中も、チューブを太ももにつけてステップを踏んだり、スクワットなどで強化している。「力の入れ具合が違います。元々、ももで合わせないと、ジーンズは選べなかったですが、さらに大きくなりました」と手応えを感じている。
山中が勝てる理由はもう一つある。それはテンポの良さ、リズムだ。本人が「そこは意識しています」と言うように、ポンポン投げ込んでいくため、野手は守備の時間が短くなり、打撃により集中することができる。