監督も本人も“予想外”のノーノー達成 岩隈久志がこだわる投球スタイル
岩隈「マリナーズで名前を残せたことは本当にうれしい」
「僕はやっぱり速いボールを投げるわけではない。速いボールを投げて自己満足っていう世界ではやっていないので、いかにコントロールで勝負しながら、いかにどうやってアウトを取っていくかって考えてやっている。その結果がこうやって形で結びついたんでね」
7月31日のウェーバー手続きを経ないトレードの期限前には、トレード候補者の名前として岩隈の名前が浮上していた。結局、トレードはされずにマリナーズに残ったままとなったが、プレーオフ進出を目指すチームはまだトレードを画策する可能性はある。右広背筋の故障から復帰して以来、8試合で先発して4勝1敗、防御率3・05と好調だ。再び岩隈の名前がトレード市場に浮上しても、なんら不思議はないだろう。
「マリナーズで名前を残せたことは本当にうれしい。(カーテンコールは)最高にうれしかったですね。あんなのなかなか味わえないですし。本当にシアトルのファンの方に、感謝の気持ちで一杯です」
地元シアトルに深い愛着を持つ岩隈だが、FAとなる今季オフにはどんな決断が待っているのか、あるいは今季終了前に新天地に移ることになるのか、しばらく動向から目が離せなくなりそうだ。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato
佐藤直子 プロフィール
群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。