監督も本人も“予想外”のノーノー達成 岩隈久志がこだわる投球スタイル

監督も「5回からトイレに行くのを我慢」、今季4人目の快挙成し遂げた岩隈

 マリナーズの岩隈久志が、ノーヒットノーランの快挙を達成した。ヘストン(ジャイアンツ)、シャーザー(ナショナルズ)、ハメルズ(現レンジャーズ)に続く今季4人目、そして日本人投手としては、2001年野茂英雄(レッドソックス)に次ぐ2人目の偉業。普段はあまり感情を表に出さない岩隈が、マウンド上で両腕を天に突き上げ、チームメイトと祝福のハグをかわす時には両目を真っ赤にしていた。「プロに入る時に、一度はしてみたいなって思いもあった。でも、その中でノーヒットに抑えていく難しさもあったので……」と、まだ夢見心地といった様子で試合後の記者会見に臨んでいた。

 これまで日本人投手では、レンジャーズのダルビッシュ有が2度ノーヒットノーランを射程内に入れながら、つかみきれなかったことがある。メジャーで日本人投手初のノーヒットノーランを達成した野茂は、両リーグで合計2度成し遂げるという離れ業を見せたが、100年を超えるメジャーの歴史で複数回ノーヒッターを達成した投手は、野茂を含めわずか29人だけ。ノーヒッターを達成することは非常に困難なことだ。

 試合後「5回からトイレに行くのを我慢していた。試合が終わってくれてホッとしてるよ」と笑わせたマクレンドン監督は、タイガースで打撃コーチだった時に見たバーランダーの2度のノーヒットノーランのほか、偉業達成に複数回立ち会ってきたというが「何度見てもいいもの。とてもスペシャルな出来事だ。5回くらいに、これはあるかもしれない、って思った」と相好を崩した。

 それでは、試合前はどうだっただろうか。シアトルの地元記者に「試合前に、マリナーズで誰がノーヒットを投げる可能性があるか聞かれたら、岩隈の名前を挙げたか?」と聞かれた監督は、バツの悪そうな顔をしながら「ノー」と答えた。

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