【高校野球】歴史を刻む夏の甲子園初の2勝 80年ぶり8強の秋田商を変えた2つの意識

走塁の意識を変えてくれた健大高崎に勝利、4強かかる仙台育英との東北対決は「喜びを感じながら」

 実は、相手の健大高崎からも学んでいた。今年6月に初めて練習試合をしたが、太田監督は「田舎のチームにとって、ああいう野球は衝撃的でした。想定していないことをしてきた」と“機動破壊”と呼ばれる野球を目の当たりにした時のことを振り返る。

 しかし、それで終わりではない。「生徒にとってはいい経験になり、走塁の意識が変わった」と指揮官。この日、盗塁はゼロで、走塁ミスもあったが、チームがここまで来られたのは健大高崎の“衝撃”があったから。会田主将は「(6月の練習試合で)1次リードが見たことがない大きさでした。1点に対するどん欲さ、次の塁を狙うどん欲さが勉強になりました」と感謝する。意識を変えてくれた相手と最高の舞台で戦えた。

 準々決勝の相手は、花巻東(岩手)との“東北対決”を制した仙台育英(宮城)。頻繁に練習試合をする相手と初の4強入りをかけて戦う。太田監督は「いろんなものを背負うより、もう1試合できる喜びを感じながら、レベルを上げていきたい」と話した。

 秋田商が初めて甲子園に出場したのは1925年、大正14年。2度目の出場となった35年に1勝して8強入りした。そして、今回は18度目の夏。これまでの歴史は尊い。しかし、気負うことはない。目の前の試合に集中し、新たな歴史を築けるか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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