【高校野球】甲子園沸かせたドラフト候補の実力は? オコエは「とんでもない選手になる」
優勝投手の東海大相模・小笠原はプロでも「1年目から勝てる」
第97回全国高校野球選手権大会は、東海大相模(神奈川)の45年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。東北勢初の優勝を狙った仙台育英(宮城)との一戦は、決勝に相応しいハイレベルな熱戦となったが、今大会は例年以上に見応のある試合が多かった。
高校野球100年の記念大会にふさわしく、個性の強い選手の活躍も光った夏。プロは彼らの実力をどう見ているのか。ドラフト候補と言われる選手たちは、プロで活躍する実力を持っているのか。
ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は、何人かはプロでも十分に通用する可能性のある選手だと説明する。
まずは、東海大相模を優勝に導いた小笠原慎之介投手(3年)について。野口氏は、プロでも「1年目から勝つ」と見ている。
「まだ体はできていない。ちょっとしたところですね。体幹がまだ弱かったり、というのがあると思うので、それができてくればプロで通用する。間違いなく(ドラフト)1位だと思います。開幕に無理矢理合わせさせなければ、例えばオールスター明けくらい、今年の西武の高橋光成くらいの間を空けさせてあげれば、1年目から勝つでしょうね。
その間に体幹、肩のインナーという部分を、今までもやっていたでしょうけど、まだ足りていないと思うので、徹底的にやらせてしっかり出来るようになれば、1年目から最低1つ2つは勝ち星を挙げると思います。そういうピッチャーだと思います。左というのもあるし、チェンジアップであまりミスをしない。しっかり外に投げていく。それで緩急差がつきますからね」
小笠原は初戦の聖光学院戦で9回に救援登板し、自己最速を更新する152キロをマークした。ただ、野口氏はまだコントロールの乱れが気になるという。
「体幹が出来ていないから、体全体を無駄に使いすぎちゃって投げているので、ちょっとしたばらつきがあります。体ごと振っちゃうから、そうなってしまう。力を入れたところでも、筋が一本通ってれば、そこで力を入れられれば、(ボールが)あっち行ったりこっち行ったり、とはならない。だいたいストライクゾーンの中で、しかも、四分割して狙ったところにはいくと思います。
菊池雄星(西武)や松井裕樹(楽天)らと比較されるでしょうね。本当に1年は見てあげられる余裕のある球団だったらなおさらいいですけど。最低でもオールスターくらいまでは余裕を持って見てあげられる球団に入ってほしいなと思います」