【高校野球】甲子園沸かせたドラフト候補の実力は? オコエは「とんでもない選手になる」
「伸びしろだらけ」のオコエは「トリプルスリーができる素材」
もう1人、甲子園で大きな話題を呼んだのが、関東一(東東京)のオコエ瑠偉(3年)だ。ナイジェリア人の父を持つ外野手は、爆発的なスピードを生かした走塁、守備に加え、バッティングでも驚異的なパワーを見せつけた。準々決勝の興南(沖縄)戦で放った勝ち越し2ランは、圧巻だった。
野口氏は、甲子園で鮮烈な印象を残したオコエについても「とんでもない選手になる」と高く評価する。
「しっかりと技術指導してあげれば、バッティングは断然良くなるはずですね。まだバットがおかしな軌道なので、そこを修正してあげれば。本当に今は持って生まれたものだけで野球をやっていると思うんです。そこでプロの指導者にしっかりと指導してもらえば、とんでもない選手になりそうな気がします」
走塁についても「スピードについては申し分ないので、あとは技術ですよね」と言う。
「ベースターンの仕方とか、判断はやって覚えていくしかないので。そういう技術はいくらでも高められます。余計な動きをしないで、なるべくスピードを殺さないように1番小さく回る方法はありますからね。それを教えてあげられる人がいれば」
広い範囲をカバーする守備も光った。3回戦の中京大中京戦では、初回2死満塁の大ピンチで左中間への大飛球をキャッチ。甲子園を沸かせたスーパープレーでは、球際の強さを見せつけた。
一方、興南戦ではセンター前に落ちる当たりに前進し、頭から飛び込んだものの、キャッチできないという惜しいプレーがあった。オコエは試合後に他の外野手のカバーが見えていたからチャレンジしたと明かしていたが、このプレーからもオコエの圧倒的な能力が見て取れたと、野口氏は説明する。
「あれも彼が行けるから、動けるからこその後逸(記録はヒット)ですよ。誰かに責められるべきプレーではない。惜しかったな、と。試合後のコメントが本当だったら、大したものですよ。
(東海大相模に3-10で敗れた)準決勝では、ピッチャーをやらせたらどうかなとも思って見てました。最後に投げさせたらどうかなと。そのくらい肩の強さも持っていると思います。140キロ代後半くらい投げるんじゃないですか」
その能力は圧倒的。だからこそ、「ちゃんとした指導者についてほしい」と野口氏は繰り返す。
「トリプルスリーができる素材です。うまく指導者に出会えば。そうなる可能性を十分に秘めてます。技術をしっかりつけてあげれば長持ちしますよ。技術があれば、息の長い選手になります。ドラフトは上位で消えるでしょうね。伸びしろだらけですよ。本当に楽しみです」