優勝争い真っ只中で若手抜擢 独走態勢の裏で常勝軍団の礎築くソフトバンク
優勝争い真っ只中で若手を試せるソフトバンクの凄さ
今回の千賀の登板には明確な意図があった。1軍のマウンドを経験させ、通用する部分、足りない部分、1軍との力の差など様々な部分を身をもって体験させる。これを基に、今後の練習に生かす、練習へ取り組む意識を高めさせる。千賀のように好投すれば、ここまで取り組んできた成果を感じることが出来、今後への意欲もより高まることだろう。成長曲線を加速させるために、経験の場を用意したのである。
千賀や、6月25日の西武戦(西武プリンス)で先発した岩嵜翔のような、若手の投手が台頭してくれば、1軍のローテ投手もうかうかしていられなくなる。ファームが高いレベルで競争し、下から上を突き上げる。これによって、上の競争も激しくなり、総じてレベルが高まっていく。ここに工藤監督の狙いがある。
ただ、優勝を争う真っただ中で、若手に出場機会を与えることが出来るのは驚くべきことである。充実した戦力と、2位・日本ハムと10ゲーム前後の差がつく独走態勢も、これを可能にしている。正直、余裕すら感じさせる。
優勝まで歩みを進めながら、来季以降に向けて戦力の上積みにも余念がない。ソフトバンクがぶっちぎりの独走の裏で、着々と常勝軍団の礎を築いている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count