西武を救った牧田の男気 臨時守護神がもたらした“目に見えない効果”
今年は「原点に返る」と決めていた
「チームが勝つために自分が何をなすべきか。それを考えてずっとやってきた。チームが苦しい中、やるしかない。それに今年は原点に返ると最初に決めた。プロに入る時はどこでも投げるつもりだった。だったら今もそうすべきじゃないか、と思った」
高橋朋への発奮も促した。「抑えの大変さは分かる。自分でもう1度、取り戻すという気持ちでやってほしい」。失地は己の力で回復してほしかった。
先発と抑えの調整はまったく異なる。週に1、2回ブルペン入りする前者に対し、後者は試合展開によっては毎日のように肩を作らなければならない。1球1球への集中、疲労感も違う。「先発はペースを考えて投げる部分はあるけど、抑えは全力で腕を振る。先発をやっていたからといって、簡単に回またぎができるかと言えば違いますね」と実感した。
1球の怖さも体感した。8月8日のオリックス戦。1点リードの9回で不運な内野安打に端を発し、四球も重なり、サヨナラ負けを喫した。「調子とかは関係ないです。9回は絶対に抑えないといけない」と責任を負う姿があった。