大谷翔平の数少ない“敵” 二刀流右腕が足をつらないためにすべきことは!?

筋肉の痙攣への具体的な対策とは

 発生の理由は1つではない。新盛院長は5つの理由を挙げている。

(1)水分不足
(2)カルシウム・カリウム・ナトリウムという電解質のバランス欠乏
(3)気温・湿度・グラウンドなどの環境面
(4)乳酸など老廃物が溜まり、血流悪化による排出不足という蓄積疲労
(5)投球フォームなどの身体の使い方

「これらが複合的に関与しているものと考えられます」と分析する院長は一般的な短期的対策を挙げる。

「まずは水分や栄養ドリンクなどを摂取し、体内の水分不足と電解質欠乏を防ぐ。ウォーミングアップとストレッチも重要です。これらの対処で症状の改善が図れるケースは多いのですが、大谷投手のようなプロアスリートの場合、チームトレーナーと連携して改善策をすでに実施している上で、発生している症状なので、簡単なことではないと思います」

 こう語った新盛院長は、複合的な要因で発生する筋肉の痙攣について、具体的な対策に踏み込む。

「水分不足と電解質欠乏に関しては、イニングの合間にダグアウトで補うことで対策が可能です。環境に関しては、ピッチャーというポジション柄、マウンドの傾斜に適応するトレーニングが必要だと追います。いずれの要因についても本人も球団も対策をすでに進めていることが予想されます。

 疲労の除去に関しては、マッサージ、鍼治療、そして、トレーニング負荷のコントロールで対処することができます。試合の初回から痙攣が起こるわけではないので、筋疲労の蓄積は発症の原因として大きいと考えられます。ピッチャーの場合、味方の攻撃時はケアに充てることが可能となります。短期的な解決策にはイニング間のケアが鍵になると思います」

 試合中の疲労蓄積こそが発生の大きな理由と分析する新盛院長は、イニング間のケアに関する施策を挙げていく。

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