大谷翔平の数少ない“敵” 二刀流右腕が足をつらないためにすべきことは!?

大谷は「腱が長いタイプの選手」、効果的なトレーニングは?

「アイスマッサージ、温熱マッサージ、そして、ストレッチ。場合によってはパワープレートというトレーニング器具の活用も有効かもしれません。このマシーンを活用することで、1秒間に25回~50回の振動を与え、多くの筋肉に刺激が入ります。筋肉疲労の改善、神経伝達のバランス改善が短時間で期待できます。

 すでに活用しているかもしれませんが、個人的には効果が期待できる一つの手段だと思います。サッカーのクラブでも、ハーフタイムに活用していたという事例もあります。短期的な改善を望む場合、様々な対策を実施し、効果の高いものを選択することが必要です」

 試合中に行う短期的な防止策を説明した新盛院長は、長期的な対策についても考察を明かす。

「体の使い方、つまりフォームの改善ですが、フォームを変えることは、メリットよりデメリットの方が強く出てしまうケースもあるので、慎重にならざる得ないと思います。一方、長期的な対策としては、“腱”に対してのトレーニングを継続することが重要と考えられます。

 恵まれた体格から、時速160キロの速球を投げる大谷選手はあれだけのパワーを生み出しています。腱が長いタイプの選手と分析します。いわゆるバネがあるタイプということです。腱のトレーニングをすることで、様々な効果が期待できます。神経伝達バランスの改善、筋肉疲労の少ない運動ができるという、いわゆる燃費のいい体質に改善します。

 ジャンプ系のトレーニング。目を閉じた状態でのバランストレーニング。そして、パワープレートの活用などが考えられます。あれだけの選手ですので多くの期待がかかりますが、運動と休息のバランスが大事なのは言うまでもありません」

 大谷にとって、腱を強化することが、足の痙攣を遠ざけ、更にパフォーマンス向上を引き出す可能性が高い、一石二鳥のトレーニング方法になるという。日本球界を代表するエースに成長した若武者の更なる躍進に大きな期待が集まっている。

◇新盛淳司
(しんもり・じゅんじ)入船しんもり鍼灸整骨院、今川しんもり整骨院、クローバー鍼灸整骨院代表。柔道整復師、鍼灸師の資格を持ち、関節ニュートラル整体普及協会会員。デフ(ろう者)フットサル女子日本代表トレーナー。サッカー元日本代表MF中村俊輔をセルティック時代から支える。ブリオベッカ浦安チーフトレーナーも務める。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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