「ミラクル・メッツ」再現なるか プレーオフ進出へ、躍進支える“チーム愛”
ワールドシリーズに進めばNYでヤンキースと覇権交代も?
レッドソックスの主砲デービッド・オルティスも「この球団に素晴らしいことが起き始めている」と変化を感じ取った様子。そして、かつて在籍して人気選手だったロッキーズのホセ・レイエス選手も現役の最後にメッツに復帰することを望んでいる。米メディアに対し、「たくさん思い出の詰まったニューヨークで現役を終えたい」と公言。ビジネスライクなメジャーリーグで、選手が一つの球団への思いをさらけ出すのは珍しいこと。それだけ魅力があるということだろう。
ペナント争いはまだ1か月近くを残しており、何が起こるか分からない。だが、メジャーリーグの統計データを扱うFAN GRAPHSは、メッツがプレーオフに進出する可能性は82パーセントで、ワールドシリーズ進出は8.6パーセントと分析。2位ナショナルズのプレーオフ進出は20パーセント弱と大差がついている。
この夏、同じくニューヨークを拠点に置くヤンキースはペティットとポサダという黄金時代を支えた功労者の背番号を永久欠番とするセレモニーを開催。一時代の終わりを感じさせた。
今季メッツがワールドシリーズに進めば、ニューヨークの覇権交代が本気で議論されるようになるかもしれない。街でメッツのロゴが入ったTシャツやキャップを身に付けるニューヨーカーが増えたように感じるのも、決して気のせいではないと思っている。
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伊武弘多●文 text by Kouta Ibu