打線を組み替えた阪神 4番から外れたゴメスが復活するには?

ペナントレースだけでなく、CSに勝ち残ってからもカギを握るゴメスの状態

 野口氏は「バットのヘッドを走らせたかったら、体のどこかを止めるしかない。そこに気がつけるかですね」と説明する。この練習で、それが解決する可能性は高いという。そして、壁をしっかり作ることが出来れば、状態は戻ってくるというのだ。

 まだセ・リーグは混沌とした状態だが、このまま行けば強力打線を誇る2位ヤクルトが、ペナントレース、そしてクライマックスシリーズ(CS)に進んだ場合に、阪神のライバルとなる可能性は十分にある。その時、ゴメスの状態が戻っていなければ厄介だ。

「ゴメスが蘇ってこないと、この先、ヤクルトと打ち合いになったときにムードもよくない。ヤクルトは、3日の広島戦みたいに5点では勝てない。8点、9点、10点と取るチームです。ゴメスがこの試合のように厳しいと、打ち合いで負けてしまいます。でも、ゴメスが打つことによって、5点が8点、9点になってきます。

 さらに、その先を見ると、CSに行けばヤクルトは失点はある程度織り込み済みで、それより1点でも2点でも多く取ろうという野球をやってくるはずです。計算できる先発ピッチャーは小川くらいですから。ある程度の失点は覚悟の上で得点を狙ってくるはず。その失点が真中監督が思っている点数よりも1、2点少なければ、ヤクルトはどんどん楽になってきます。だから、楽にさせないためにも、なんとかゴメスが復活しないといけません」

 今の状態なら、CSの切符を掴んでもゴメスが大ブレーキとなって、「逆シリーズ男」になりかねないという。だからこそ、野口氏は「なんとか1か月で復活してもらわないと」と指摘した上で「逆に言えば、(壁が崩れていることに)気付けば、復活まで1か月はかからないと思います」と期待した。

 昨季打点王が復活できるかで、“混セ”の行方は大きく変わってきそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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