理想を捨てた原監督 巨人投手陣にいよいよメス
優勝もあればCS圏内から落ちる可能性もある
12日のDeNA戦では先発したルーキーの高木勇人がプロ最短の1回2/3、4安打2失点で降板。1回、前回の対戦で先頭打者ホームランを打たれている荒波にライトフェンス直撃の三塁打を浴びるなど、立ち上がりが不安定とみると、原監督はすぐに中継ぎを準備させた。2回途中でまたピンチを招くと、ベンチを出て、非情交代を命じた。
「向こうの方が心地よく野球をやっているように見えた」と監督。その後、高木京、戸根、田原誠が見事なリリーフを見せて、その相手の心地よさを不快感に変えていった。巨人はジワリ、ジワリと追い上げて逆転。13日の試合では、リードしている8回から、前日好投した田原誠を2日続けて重要な場面で起用する采配を見せた。
13日を終えた時点で、4位広島までが3ゲーム差。首位ヤクルトを0・5差で阪神と巨人が追う。優勝もあればCS圏内から落ちる可能性もあり、下位チームに負けることは許されない。もはや理想を求めている場合ではなくなった。それは監督だけでなく、選手も同じ。打撃や投球のフォームなど関係ない。ただ勝つことだけを求めていく。
投手の起用にメスが入り、チームも変わる気配がある。打線も動かしながら、その日、その日で最良な方法を見つけ、一戦必勝で10月の最終決戦まで気を引き締めて戦っていく。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count