理想を捨てた原監督 巨人投手陣にいよいよメス

優勝&CS争いが混沌とするセ、原監督も“勝負の鬼”に

 もう、なりふり構ってはいられない。セ・リーグの各球団が残り15試合前後となり、どこが抜け出し、どこが落ちるのかわからなくなった。弱みを見せたところが、負ける。巨人・原監督は投手起用で、“勝負の鬼”になり始めた。

 9日、阪神との甲子園決戦でマシソンがマートンに打たれ、サヨナラ負けを喫した。8年連続で50試合登板をする中継ぎエース・山口とともに、今年は勝負所で打たれるケースが続いていた。しかし、原監督はあえて使い続け、負けと引き換えに復調を待った。3年連続のリーグ優勝を果たせたのは、紛れもなく、彼らと、手術をし、現在2軍にいる西村というリリーバーの存在があったから。だからこそ彼らを尊重し、起用を続けてきた。

 だが、翌日10日の同カードでは、これまでにない継投が見られた。先発ポレダが勝利の権利を持って降板。これまでならばマシソン、山口、澤村という勝利の方程式でいく場面で、宮国が起用された。中継ぎで3勝1敗、防御率2・55の成績を残しているが、延長戦以外の僅差で勝利している場面での起用、いわゆる“勝利の方程式”に組み込まれるのは初めて。勝ちパターンの構図が崩れた瞬間だった。

 さらに9、10日の両日ではクローザーの澤村を初めて2日連続で、イニングまたぎで起用。苦しいシーズン終盤の戦いにおいて、その“酷使”が意味することは誰もが分かっていた。澤村は期待に応え、無失点で切り抜けてリリーフ陣を支えた。

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