【小島啓民の目】WBC前哨戦のプレミア12、日本に必要な「洞察力」

短期決戦の国際大会で不可欠な情報収集

 さて、このような短期決戦の世界大会を戦うには、出場国の様々な情報集めが非常に重要となってきます。特にMLB球団のマイナー所属の投手などには、大会出場に際しての投球制限等の制約があることが予想され、その情報を入手できるかどうかは非常に戦略を立てる上で優位に働きます。

 オフシーズンの大会ですから、先発は70球くらいが限度、リリーフであれば30球くらいが目安となるのでしょうか。当然、その契約に応じて、投手を交代することがほとんどですから、ビタッと抑え込まれた投手がいても、必ず交代後にチャンスが生まれるということになります。

 この大会の前身、最後となったワールドカップ大会で私は指揮を執りましたが、試合前の情報通り、先発がおおよそ70球から100球で交代していくことがほとんどでした。このように情報戦となることは必至で、初めて対戦する相手ばかりの世界大会では、非常に重要になってきますので、ネット裏でデータを分析する担当の方々はこの期間は非常に大変でしょう。

 一方、力勝負をしなければならない打席などにおいては、ほぼ初対戦の相手ばかりでしょうから観察力と洞察力が要求されます。

 外国人選手、特に中南米の選手は、日本選手のように相手の癖などを見抜くことはあまりしようとしません。逆に、外国人選手には癖や際立った特徴を持った選手が意外と多くいます。例えば、投手であれば、ストレートと変化球の入り方が違う。打者であれば落ちるボールは何度振っても当たらないという類です。

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