斎藤佑が見せる新たな投球スタイル 栗山監督も「自分の道が見えてくれたら」
“一球入魂”の投球で初勝利、「僕にはすごく価値のある1勝」
8月は3試合先発し、いずれも5回以上を投げて試合を作った。この時も、フォークをカウント球から有効に使った。2敗目を喫した同22日のオリックス戦(東京ドーム)後に2軍調整となったが、栗山監督ら首脳陣は高く評価。首脳陣の言葉も右腕の自信に変わった。
「前回から特に変えたことはありません。監督、コーチに『このまま状態をキープしてくれ』と言われたので。自分の中では何も変えないことを意識してやってきました」
長い回を投げることを計算し、配球のコンビネーションを考える。これも先発投手の重要な仕事だが、斎藤には合ってなかった。勝負球を次々と繰り出す一球入魂の投球――。これが斎藤の新たな投球スタイルだ。
栗山監督も「ぼんやりと見えていた自分の道が見えてくれたら、うれしい。安心してはいけないけど、『オレはこれでいくんだ』というのが見えたなら」と目を細めた。
今季11試合目の登板でつかんだ今季初勝利。シーズン終盤での初勝利となったが、斎藤には手応え十分だった。
「ただの1勝と思うかもしれませんが、僕にはすごく価値のある1勝です。中継ぎをやって、いい手応えをつかんだ1勝。ホッとしてます」
首位を独走するソフトバンクの優勝は刻々と近づいているものの、10月には一発勝負のクライマックスシリーズが控えている。再び輝きを取り戻しつつある27歳が「下克上」の切り札となるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count