【小島啓民の目】指導者のお手本とも言える工藤采配 強いチーム作りに必要なモノ

信頼関係こそがチームの柱、ソフトバンクと日本ハムの差は…

 プロ野球選手ですから、結果が出せなければプロではないという考えもあるでしょうが、プロ選手も一人の人間です。特に男気のあるスポーツマンばかりですから、心を揺さぶる采配は必要になってきます。「監督を男にするためにやってきました」と優勝したチームの選手がよく口にしますが、その言葉に嘘はないと思います。監督(スタッフ)と選手の信頼関係こそがチームの柱となるということはチームスポーツである限り当たり前の話であるはずです。

 科学的トレーニングや分析を駆使してなどの話題が先行しますが、それはあくまで方法論であって、勝てるチームは、要は選手のやる気というメンタル的な要因が大きいものです。そのために、監督は日常から選手とコミュニケーションを図り、繰り返し期待感を伝える努力をし、さらに試合で結果を出し、自分の発言の正しさを証明していくわけです。そのサイクルを重ねることで強靭なチームが出来上がります。そのような意味では、信頼関係が構築できている間はしばらくソフトバンクの時代が続くなという感じはします。

 日本ハムもソフトバンクと同じように育成もしっかりしている良いチームです。日本ハム・栗山英樹監督も選手からの信頼を勝ち取っていると言えるでしょう。では、その差はと問われるとチームリーダーの存在の差だと思います。

 中田翔選手、大谷翔平選手が年齢的に若いこともあってか、その役割を果たせていません。この2人がチーム内で発言権を得た時には、日本ハムが今のソフトバンクの立場になると思いますよ。

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