CS進出へも正念場の阪神 優勝争いから脱落したターニングポイントとは

失速で優勝を逃した阪神、鍵となったのは巨人戦での継投?

 阪神が終盤戦になって苦しんでいる。一時期は首位に立ち、優勝に最も近い位置につけているかと見られたが、9月に入ると一気に失速した。18日以降は11試合で3勝8敗。21~24日に、巨人との2連戦を含めて4連敗を喫したことで優勝争いから脱落した。

 25~27日の4位広島との3連戦では負け越して優勝が消滅。28日は藤浪が巨人を完封し、2-0で勝利して2位浮上への望みをつないだものの、広島とも依然として1・5ゲーム差とクライマックスシリーズ(CS)進出へ向けても正念場を迎えている。

 なぜ、ここまで勢いを失ってしまったのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は、「(優勝へ向けて)“終戦”を迎えた瞬間というのはやっぱりあるんです」と指摘する。

 野口氏がターニングポイントに挙げたのは、22日の巨人戦の継投だ。

「ジャイアンツとの2連戦の1戦目に、先発の岩崎が1点に抑えて0-1で降板した。その後に出したピッチャーが松田遼馬だった。もちろん、結果論ではあるんですけど、あれで終戦だなと思いました」

 7回から登板した松田は、この日、2軍から昇格したばかりだった。先頭の大田にレフトへのヒットを許すと、寺内の送りバントで1死二塁とされ、小林にタイムリツーベースを浴びて、大きな追加点を奪われた。菅野に代打・阿部が告げられたところで、松田は降板。わずか8球の出来事だった。

 阪神は8回に登板した歳内も1点を奪われ、0-3で完敗。あまりにも痛い一敗だった。松田は翌23日に、出場選手登録を抹消された。

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