田中将大、大一番で無念の83球降板 指揮官「これ以上は失点できなかった」
「あのタイミングがブルペンにバトンを託す時だと私は感じた」
今季、ア・リーグでただ一人20勝を挙げ、サイ・ヤング賞最有力候補とされる左腕カイケルを相手に、ヤンキースはレギュラーシーズンで16イニング無得点と完全に抑えられていた。この日は中3日という強行日程だったが、それでも6回無失点とカイケルを攻略できなかった。22イニング無失点と沈黙したヤンキースにとって、田中の2つの失投は命取りとなった。
地元紙ジャーナルニュースによると、ジラルディ監督は一発病に苦しんだ田中よりもメジャー屈指のブルペン陣を信じたことを明らかにした。
「5回終了で降板させた理由はうちの7回、8回、9回を投げるリリーフ陣がリーグ屈指だからだ。カイケルが投げている限り、これ以上の失点を許す余地はなかった。相手の打順を考えた時、ラスマスはホームランを打っていた。次の打者(ガティス)は第1打席で右中間に特大の飛球を放っている。そして、ゴメスにはホームランを許していた。だから、あのタイミングがブルペンにバトンを託す時だと私は感じた。一年中抑え続けてくれたブルペンに、ね」
ポスティング費も含め、総額1億7500万ドル(約201億円)で獲得したエース田中は、大一番でレギュラーシーズン最多に並ぶ3四球と制球が乱れた。試合後には「絶対的な投手であればあそこでマウンドをおろされることはない。そういう投手にならないといけない」と胸中を吐露。今季苦しみ続けた一発病に大舞台で沈み、最後の最後で指揮官の全幅の信頼を勝ち取ることができなかった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count