早くもスカウトの視線は来年へ 「今年以上に豊作」、来秋ドラフト候補は?
創価大156キロ右腕・田中は野茂らの8球団を上回る争奪戦の可能性も
2015年のプロ野球スカウト会議が終了。これでスカウト陣はひと息つくのかと思いきや、まったくそんなことはない。
先週末は佳境を迎えた大学野球のリーグ戦や来春の選抜大会出場を目指した高校野球の地区大会が各地で行われ、早くも来秋ドラフト候補をチェックするスカウトたちの姿が球場に見受けられた。
では、2016年のドラフト戦線はどうなるのか。スカウト陣の多くは「来年は今年以上に豊作となるのではないか」と分析している。
今回は来年の活躍が注目されているドラフト候補生をまとめて紹介する。
○大学生編
高校、大学、社会人を通じて、来年の超目玉の目されているのが、創価大の田中正義投手。MAX156キロといわれる直球に加え、140キロ前後で落ちる高速フォークを操る規格外の右腕だ。
大学日本代表では6月のNPB選抜戦でプロの打者から7者連続三振を奪う衝撃的な投球で球界を騒然とさせた。さらに、今秋は東京新大学リーグで46イニングを投げて、防御率0・00という信じられない成績を残した。
これだけ圧倒的な成績を残しながら、意外にも投手歴は浅い。創価高時代は投手兼外野手を務めており、本格的に投手に専念したのは大学からだ。
しかも、投手陣が強力な創価大でリーグ戦はこれまで1、3回戦を中1日で投げるエースのポジションではなく、2回戦を任され、大事に起用されてきた。「エースの登板過多」が懸念される大学球界において、肩の消耗度合いが少ないというのも、魅力的に映る点だ。
スカウト陣はすでに徹底マーク。「1位指名は当然。後は何球団が競合するか」と分析する。89年の野茂英雄、90年の小池秀郎の8球団を上回る争奪戦が繰り広げられる可能性も十分にある。