“打率10割”で現役生活に幕 巨人・隠善、かなわなかった高橋由の“後釜”
尊敬する高橋由と同じタイミングで引退へ
8月28日の中日戦は代走出場だったが、30日の同カードでは今季初打席ながら代打で2点タイムリー。9月2日のヤクルト戦でも代打でヒットを打ち、2打数2安打。打席数は少ないが打率は10割。高い打撃センスは健在で、シーズン巻き返しのキーマンとしての期待が高まるほどだった。
しかし、悲運のケガが襲う。右肩脱臼で戦線離脱。2日のヤクルト戦を最後に1軍の試合に出ることはなかった。
バッティングだけなら、まだまだ1軍で活躍できるプレーヤーだった。引退を決めた年は、くしくも憧れで尊敬する左打者、高橋由伸と同じタイミングだった。
「由伸さんには電話をいれさせていただきました。『お前が決めたことだから。おつかれさん』という言葉をいただきました」
両者には痛いほどよくわかる決断の難しさ。隠善は高橋由のような代打の切り札にはなれなかった。しかし、一緒に過ごした時間は何にも代えがたいもの。1人のスタッフとして、新監督を影で支えていく。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count