優勝候補だった広島はなぜBクラスに沈んだのか 今季最大の敗因は?
セ唯一1度も首位に立つことなく終戦、「駄目だった理由は絶対に打線」
今季、優勝候補の一角に挙げられていた広島は、まさかの4位に終わった。セ・リーグでただ1チームだけ、1度も首位に立つことなく終戦。シーズン最終戦となった10月7日の中日戦は、勝てば3年連続でのクライマックスシリーズ(CS)進出が決まるというゲームだったが、7回無失点と好投したエース前田健太を援護できずに0-3で敗戦。最後まで歯車は噛み合わなかった。
ヤンキースで先発ローテーションの柱だった黒田博樹投手が8年ぶりに復帰。昨オフにメジャー行きの噂もあった前田は残留した。さらに、新外国人として、クリス・ジョンソン投手、ヘスス・グスマン内野手、マイク・ザガースキー投手を補強。緒方孝市新監督のもとに充実の戦力が揃ったかに見えたが、3年ぶりのBクラスに沈んだ。
なぜ、広島は勝てなかったのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は「今年、カープが駄目だった理由は絶対に打線ですよ」と指摘する。
広島にとって最初の誤算は、守護神に抜擢したヒースが安定感を欠いたことだった。その後、中崎をクローザーに指名。後半戦は獅子奮迅の活躍を見せたが、前半戦は逆転で試合を落とすことも多かった。開幕前から、昨季先発としてブレークしたヒースのクローザー起用に疑問を投げかけていた野口氏は「確かにそこで落とした星はいっぱいありますね」と分析する。ただ、最大の問題点は打線にあったという。
「前の年にあれだけ打ったキクマル(菊池、丸)が全く機能しなかった。一時は新井と代打で出てきた小窪が打つだけでした。だから、あの位置で終わったのも仕方ないのかなと。エルドレッドが怪我でいなかったこともありましたけど、前半戦はその穴を新井が埋めていました。当初はレギュラーとは想定されていませんでしたけど、試合に出始めて、よく打ってチームを救いました。
だからこそ、本当にキクマルなんです。あそこが機能しなかったのが最大の要因でしょうね。得点力が低すぎました。グスマンも打てなかったし、シーズン途中にはシアーホルツを補強して何とか格好になり始めたけど、やっぱり敗因は打線でしょう。打線次第で勝ててもおかしくなかった。点が取れなかったのが全てですよね」