FA移籍のもう一つの注目? 過去の人的補償選手を振り返る
1軍で実績のない若手が人的補償に指名されることも
◯高宮和也投手(オリックス→阪神/2012年オフ、平野恵一内野手の人的補償で移籍)
2012年オフに阪神に移籍した高宮は、左のリリーフとして活路を見出した。2014年に22試合に登板し防御率2.89の成績を残すと、クライマックス・シリーズでは阿部慎之助(巨人)を3戦連続で抑えるなど貴重な役割を果たした。今季は自己最多の52試合に登板し、8ホールドを挙げている。
◯赤松真人外野手(阪神→広島/2007年オフ、新井貴浩内野手の人的補償で移籍)
阪神で大卒3年目の2007年まで合計36試合の出場に留まっていた俊足の外野手は、広島に移籍すると初年度から125試合に出場しレギュラーを奪取。2009年から本拠地がマツダスタジアムとなると、センターを守っていた赤松は俊足を飛ばしてフェンスをよじ登ってホームラン性の打球をキャッチするなど、好プレーでもファンを沸かせた。
昨季まで7年連続で2桁盗塁をマーク。今季は主に代走で52試合に出場。レギュラーポジションは丸ら若手の台頭に押され、譲る形となっている。
【2】高卒1年目のシーズンオフに人的補償移籍…若手有望株編
◯奥村展征内野手(巨人→ヤクルト/2014年オフ、相川亮二捕手の人的補償で移籍)
昨オフ、ヤクルトは相川の人的補償で高卒1年目のシーズンを終えたばかりの奥村を獲得した。松井裕樹(楽天)、森友哉(西武)らと共にU-18日本代表にも選出され、2013年のドラフト4位で巨人に指名された内野手。2010年の山田哲人内野手以来、高卒で内野手を獲得していなかったヤクルトにとって、将来のセンターラインを任せられる若手内野手の有望株は補強ポイントの一つだった。
今季は2軍で26試合の出場に留まり、打率.211だった。1年目はフレッシュオールスターに出るなど、84試合に出場し実戦経験を積んだだけに、3年目の来季はさらなる試合経験を積んで1軍デビューを果たしたいところだ。
◯高濱卓也内野手(阪神→ロッテ/2010年オフ、小林宏之投手の人的補償で移籍)
2007年のドラフトで阪神とDeNAが外れ1位指名。結果、阪神に入団した内野手は、2011年の春季キャンプ後にロッテに移籍した。横浜高で2年時にはクリーンアップを任せられ、春の甲子園での優勝に貢献。阪神では3年間で1軍出場はなかったが、移籍初年度には19試合に出場。昨季、今季は30試合以上に出場し、今季は打率.286を残した。