ロッテドラ1平沢が“今”を大切にするワケ “プロ1回目の冬”にかける思い

高校で飛躍できた理由は「シニアを引退してから頑張ったから」

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2年生との試合で久々に公式戦用ユニホームを着た仙台育英・平沢大河【写真:高橋昌江】

 中学3年の冬の努力は春に芽を出した。

「目立ったね。すごいよ、あのスイングは。中学生(まだ中学を卒業したばかり)であのスイングはないよ」

 入学後に平沢の打撃を初めて見た佐々木監督は度肝を抜かれた。

 仙台育英は、平沢が入学する前年の秋に明治神宮大会で優勝しているが、そのメンバーに割って入り、1年春から公式戦を経験。1年秋からは不動のショートとなり、2年秋の明治神宮大会優勝から今夏の甲子園決勝、U18W杯と駆け抜けた。そして、本人が一番、驚いている2球団競合のドラフト1位指名を受けた。

 周囲は中学時代から、いや小学生の頃から平沢の才能を感じてはいたが、本人は高校で飛躍できた理由を「中学は普通の選手。シニアを引退してから頑張ったから」と思っている。この話をもとにすると、高校3年の冬は、プロ1回目の冬だ。平沢はドラフト会議の前に「遊ぶというよりは、プロに入ってからのことを意識して、しっかり準備している段階という感じですね」と話している。

 現在は技術練習に加えて、身体作りに力を入れており、夏場に73キロだった体重は79キロに増加。11月15日に行われた2年生との試合では、久々に着た公式戦用ユニホームがキツかった。キャンプまで80キロに増やすという目標はクリアできそうだ。

 高校での実体験があるだけに、プロで好スタートを切るためには、今が大切だと分かっている平沢。“プロ1回目の冬”と位置づけ、すでに第一歩を踏み出している。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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