ロッテドラ1平沢が胸に刻む恩師の教え 高校時代に追求した「難しい道」
簡単にクリアできる道ではなく、難しい道を―
こうした方針のチームで高校野球に取り組んできたからこそ、平沢は「チームに貢献できる選手になろうと思っているので、チームの勝利に貢献できるような、リーグ優勝や日本一に貢献できるような選手になりたいなと思います」という思いをサラリと言える。そして、その言葉の信憑性は高まる。
ロッテで高卒内野手が開幕スタメンとなれば、51年ぶりの快挙であることを伝えられると「簡単なことではないと思うんですけど、そこを目標にして努力していければいいかなと思います」と冷静にコメントした。トリプルスリーや侍ジャパン入りも将来の目標に挙げたが、それは平沢の率直な気持ちであり、佐々木監督のある思いを受けたものでもある。
先の佐々木監督の話には続きがある。
「甲子園で優勝するのは、実は簡単なのかもしれない。僕は本当に今でも思っています。でも、みんなが1つになるなんてことは、永遠のテーマだと思っています。だったら、難しい方に挑戦しようと思い、今の目標を立てています。世間は優勝したことを褒めるかもしれないけれど、本当は1つになることの方が難しい。(みんなには)これからも難しい方に挑戦し続けてもらいたいなと思います。難しい目標の方に進んでいけるように期待しています」
簡単にクリアできる道ではなく、難しい道を選んで挑戦しろ――。そんな恩師からの激励を胸に刻んで、ロッテ・平沢が誕生した。
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高橋昌江●文 text by Masae Takahashi