今季の傾向からヤクルト山田の“弱点”を探る 得意、不得意はあるのか?
山田を抑えられるピッチャーは?
そして、低めのボールになる球は5打数無安打。外角低めのストライクを入れても、6打数無安打となる。また、チェンジアップについては、打率2割3分3厘と他の球種に比べて大きく数字が下がる。「カーブは高めを打ってるだけなので、カーブやチェンジアップをアウトコースに投げ切れるピッチャーであれば抑えられるかもしれない」という。
一方で、真ん中から高めの直球にはめっぽう強い。ストライクゾーンを9分割すると、上の6マスはいずれも3割超。最上段の3マスは、4割3分5厘(内角高め)、4割5分(真ん中高め)、4割7分1厘(外角高め)と圧倒的な数字が残っている。高めならばボール球も軒並み打率4割を超え、内角のボール球も真ん中から高めなら5打数3安打と捉えている。
「インコースと高めに強い。直球はボール球でもヒットを打っている。基本として出てくるのが、山田はハイボールヒッターということですね。バットの出がいいタイプだから、目に近いところへのボールのほうが成績を残すと思う」
その上で「真っ直ぐとカーブ、チェンジアップの組み合わせで緩急をつけると、ちょっと脆くなるのかなと」と指摘する。ただ、当然、細心の注意が必要となる。
「ストライクゾーンの9分割の中で上の6マスに投げてしまったら駄目。これは球種にかかわらず、ですね。緩急のつけられるピッチャーでも、ゆるい球が高めに入ってしまったら駄目。山田の傾向はそんな感じです。まぁ、緩急でカーブ、チェンジアップが低めに来れば、誰も打てないような気がしますけどね」
山田の数少ない“穴”を野口氏はこう指摘する。
では、どのようなタイプのピッチャーなら山田を抑えられるのか。野口氏は「前田健太のようなタイプは一番嫌いなのではないかと思います」と、来季メジャー移籍に踏み切る広島のエースの名前を挙げた。
「ストレートも150キロで、カーブ、チェンジアップ、スライダーと、どの球種もかなりのレベルで投げ切る。緩急をつけるには最高のピッチャーですよね」
実際に、山田は今季、前田に対して9打数1安打と苦しめられた。