Youは何しに、左腕最速、王超え満弾、216安打…西武の2015年10大ニュース

「ひちょりさんに回せ」に感動、秋山はイチロー超え&記録ラッシュ

○4位 森、記録づくめの打撃&オールスター史上初の10代最多得票

 プロ2年目の森友哉が存在感を発揮。開幕戦からDHで起用されると、6月3日の中日戦ではシーズン2度目の1試合2発で10号、11号を放った。高卒2年目までの2桁本塁打到達で、清原や松井秀喜、大谷翔平らと肩を並べた。また、球団では1986年の清原以来となる10代での2桁本塁打。オールスターのファン投票ではDHで53万6267票を獲得し、19歳ながら全体トップで初選出。10代選手の最多得票による選出は史上初となった。迎えた球宴では第2戦の6回に代打で登場し、中日・大野から豪快な一発。さらに9月1日のソフトバンク戦では初の満塁弾。これがプロ通算20号となり、高卒2年目までの20本塁打以上は94年の松井氏以来、21年ぶりとなった。今季は打率2割8分7厘、17本塁打、68打点。一方、本職の捕手では出場機会がなく、「本職は捕手ですから、来年は、それに向けて準備したい。今年はやっていないから、マイナスからのスタートのつもりでやります」と意気込んでいる。

○3位 球団ワースト13連敗&2年連続Bクラス

 8月4日の楽天戦で4-5と競り負け、7月15日の楽天戦から13連敗。1979年に喫していた12連敗を更新し、球団ワースト記録となった。エース岸孝之が5回4失点。7回に18イニングぶりの適時打が生まれて一時は4点差を追いついたが、8回に勝ち越し点を奪われ、力尽きた。夏場の失速が響き、2015年シーズンは4位でフィニッシュ。「西武ライオンズ」が誕生した1979~81年以来となる2年連続のBクラスとなった。

○2位 西口引退、森本もユニフォームを脱ぐ

 西口文也が21年のプロ野球人生の幕を閉じた。通算182勝118敗6セーブ3ホールド、防御率3.73で最多勝2回、最多奪三振2回、最多勝率1回、沢村賞1回、MVP1回、ゴールデングラブ賞3回、ベストナイン2回など数々のタイトルを獲得。43歳の右腕は9月28日のロッテ戦(西武プリンスドーム)で引退セレモニーに臨み、「ノーヒットノーラン未遂2回、完全試合未遂1回、そして今日四球。ファンの期待を裏切ることもたくさんありましたが、ファンの声援には勇気と力をもらいました」と感謝した。引退後の肩書は「西武ライオンズ編成部付」で、海外での指導も行う。「いろいろな野球を間近に見られ、経験できることは自分の財産にもなるので、しっかりと勉強をしたいと思います」。

 また、森本稀哲も引退を表明。現役最後の試合となった9月27日の楽天戦では8回表の守備から出場。その裏は1番からの攻撃だったが、チームメイトが懸命につなぎ、7番の森本に打席を回した。現役最終打席は三ゴロとなったが、その後の引退セレモニーで「8回の裏、みんなのベンチでの『ひちょりさんに回せ』という、その言葉に本当に感動しました」と涙ながらに振り返った。

○1位 秋山、日本記録のシーズン216安打

 27歳にとって大躍進の年となった。7月12日の日本ハム戦で31試合連続安打をマーク。野口二郎(阪急、1946年)に並ぶ歴代3位タイとなった。記録はここで途切れ、高橋慶彦が持つ33試合連続安打の日本記録には届かなかったが、シーズン209安打で迎えた9月30日のオリックス戦で5安打をマーク。イチローが1994年に記録したパ・リーグ記録の210安打を一気に抜き去り、歴代1位マートンの214安打に並んだ。この日でシーズン27度目の猛打賞となり、26度のイチローを上回り、西岡剛に並んで歴代最多に。さらに翌10月1日のオリックス戦で内野安打と三塁打を放ち、216安打の日本記録を打ち立てた。侍ジャパンにも選出され、「プレミア12」では3位決定戦のメキシコ戦で7回コールド勝ちを決めるサヨナラ2ランも放った。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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