野茂が4度、黒田が3度達成…ド軍入り前田、出来高満額ゲットへ高いハードル
出来高を満たせばメジャーでの評価も上がる
松坂は唯一、渡米1年目で32試合先発、200イニング以上に到達。前半戦には、黒田も含めた3投手がア・リーグ防御率上位争いを繰り広げた13年は岩隈、ダルビッシュも両方を満たし、サイ・ヤング賞投票では岩隈が3位、ダルビッシュが2位とメジャーを席巻した。
過去のデータを振り返ると、野茂や黒田の偉大さが際立つ一方、前田が全8シーズンで出来高を全て手にするのは極めて難しいということが改めて分かる。野茂や黒田も苦しみ抜いて、1年間ローテーションを守っていた。
野茂はレッドソックス時代の01年に33試合登板で198回、黒田は14年に32試合登板で199回と、4年連続200イニングに僅かに届かなかった。大家友和もエクスポズ時代の03年に34試合に登板しながら、199回でシーズンを終えた。いずれも立派に1年間ローテーションを守った結果だが、メジャーで先発投手の1つの“勲章“となる200イニング到達は、それだけ難しい。32試合先発も、中4日のローテーションを1シーズン守り続けてたどり着く数字だ。
もちろん、満額に届かなくても、前田がローテーションを守り、マウンドに多く、長く立つほど年俸は上がる。そして、出来高を満たすようなピッチングを続ければ、メジャーでの評価も上がっていく。
前田は11日に広島で行われた“惜別会見”で、出来高の比重が大きい契約について聞かれ、「しっかり投げればいいと思いますし、自信をもって(メジャーに)行くので、投げて結果を出したいと思います」と力を込めた。目標としていたMLBの舞台で自分のピッチングを見せることが、好結果へとつながるはずだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count