エースの穴、名将退任、捕手不在…日本一早い!? 2016年セ・リーグ順位予想
2016年のセ・リーグ順位は? 下位予想の2チームは正捕手不在が要因に
2月1日にキャンプインを控えるプロ野球。今年は、かつてスター選手だった金本知憲(阪神)、高橋由伸(巨人)、アレックス・ラミレス(DeNA)が新監督に就任し、セ・リーグへの注目が集まっている。指揮官の平均年齢が44.2歳と若返り、史上空前の”混セ”となった昨季から一体どのような変化を遂げるのか。それとも拮抗した戦いは続くのか。
まだキャンプイン前の段階で、新助っ人の実力なども未知数だが、ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏に「日本一早い順位予想」として、行方を占ってもらった。キャンプ後には、実力を確認した上でもう1度、改めて順位をつけてもらう。
野口氏はまず「Bクラスは中日とDeNAで、残りの4チームで”混セ”となるのではないでしょうか」と、昨年も下位(中日5位、DeNA6位)に沈んだ2チームは苦しい戦いになると予想した。
「中日は少し厳しいですね。上に行けないんじゃないかという要因はバッテリーなんです。いくら(先発に)吉見が戻ってこられたとしても。問題は受け手の方なんです」
昨季終了後に谷繁兼任監督が現役を引退し、今季は若手捕手の競争となる中日は最下位とした。
昨年は杉山が63試合、松井が51試合、桂が46試合に出場。杉山にとって初の1軍出場のシーズンになるなど、それぞれが貴重な経験を積んだ1年になったことは間違いないが、まだまだ捕手として安定した成績を残すことは難しいと野口氏は見ている。
「いきなり優勝争いできるところまでいくかというと、難しいのではないでしょうか。そう簡単に育つポジションではないことは皆さんご承知の通りです」
守りの要の経験値が順位に直結するとした。
同様に、昨年最下位に沈んだDeNAに関しても「キャッチャーが大化けしないと無理です。せっかくドラフトでいい投手を取ったので、活かすも殺すもキャッチャーでしょう」と指摘。ドラフト1位で今永(駒大)、2位で熊原(仙台大)と好投手を獲得したものの、こうした正捕手不在の現状もあり、順位予想は「5位」とした。
2014年シーズンこそ黒羽根が109試合で打率.264と攻守で結果を残したが、2015年は63試合で打率.178にとどまった。他に嶺井が74試合で打率.237、高城が64試合で打率.202と続くDeNA捕手陣だが、リーグトップの暴投数「68」を記録したことに象徴されるようにバッテリーミスが多く、攻守全てにおいて決め手を欠いた。それだけに、野口氏は「ルーキーの選手が社会人なので、レギュラーにハマってしまうかもしれないですよ」と、ドラフト4位の戸柱(NTT西日本)にもチャンスがあるとした。
また、投手陣に関しては、昨年は久保康が8勝、三浦が6勝とベテラン2人がチームで上位の勝ち星だった。それだけに「(新加入の)ぺトリックとモスコーソでレベルの高い外国人枠争いをしてくれればいいですが。山口はもうちょっと考えて投げられればいいんですけどね。真っ直ぐは素晴らしいのですが…。あとは(2012年に開幕投手を務めた)高崎が何とかしてくれないと」と、軸となるべき投手たちの高いレベルでの競争に期待した。
ラミレス新監督が「2番・梶谷」を明言している打線については、「4番・筒香、5番・ロペスの並びは崩してほしくないですね。外国人を入れるなら3番にしてほしいです」と提案。MLBマイナー通算200本塁打の実績を持つジェイミー・ロマックが3番にハマり、新打線が機能すれば、グッと厚みが出ることは間違いない。
中日、DeNAと下位予想の2チームに共通する弱点は「捕手」。これから始まる春季キャンプやオープン戦で、年間通して活躍できる人材が出てくるかどうかが上位進出への鍵となりそうだ。