スコアラーの本音は…復活目指す阪神・藤川球児は「モノが違う。ダントツ」

ここから抑え転向でも問題なし、「先発調整ならリリーフでもいける」

 35歳の球児自身の選手寿命を考えれば、先発起用は間違いなくプラス。さらにチームとしても、実力のある先発投手がこの先数年に渡ってローテーションを支えてくれれば、戦力面で大きな上積みとなる。

 球児はプロ入り後、先発投手として芽が出ず、救援に転向してからブレークしたという過去がある。ただ、野口氏は「NPBでは先発でなかなか勝てなかったですからね。ただ、彼はその後リリーフに転向してから、急に球が速くなったので。あの頃は直球が140キロ前後で、要所でストレートが真ん中に入って打たれて勝てなかった」と言う。リリーフ転向後、「火の玉」と呼ばれた直球は明らかにレベルアップしており、現在もその当時と「質は変わらない」状態ならば、大きな期待が持てる。

 もちろん、チームとして「球児・クローザー」が最適な形となれば、金本新監督が決断を下すこともあるだろう。ただ、先発からリリーフへの配置転換なら、問題はないと野口氏は指摘する。

「先発調整すれば万が一、リリーフになってもいけないことはないんです。もし、リリーフで調整していると、実戦の中でイニングを少しずつ伸ばしていくから、先発転向へは時間がかかってしまう。その逆ならば問題ない」

 いずれにせよ、阪神にとって球児の出来が大きな鍵となることは間違いない。そして、完全復活の可能性は現時点で高そうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

CATEGORY