“野球女子”の次は“野球シニア”? 西武が早大と共同研究へ、その狙いは
約70名が2か月間自由に観戦
例えば、今まで関心のなかったスポーツニュースを欠かさず見るようになる。勝敗が気になる。お孫さんとの話題が出来て、家族間の会話が増える。球場で仲間が出来て、日常的にも話すようになる……など、生活にメリハリをもたらす結果、健康に良い効果をもたらすのではないか? という仮説だ。
今回、共同で研究を行うのは、早稲田大学スポーツ科学学術院教授・早稲田大学アクティヴ・エイジング研究所所長の樋口満教授の研究チーム。樋口教授は、「スポーツ観戦が中高齢者の健康に与える影響について調査した研究の前例があまり無く、本研究が今後の貴重なエビデンス(科学的根拠)となることを期待している」と言う。
【約70名のモニターはA群・B群に分かれ、2か月間自由に観戦】
研究の詳細は、次の通りである。約70名のモニター(60歳以上)がA群・B群に分かれ、球団側が2016年シーズンのライオンズ主催試合で一定期間使用できる観戦チケットを提供。A群が4月5日~6月2日、B群が7月9日~8月28日、それぞれ約2か月の間自由に観戦を行い、早稲田大学が観戦期間の前後で決められた項目を測定。比較・解析を行う。
【日常活動量・血圧に、幸福感など定性的な指標も】
測定する項目は多岐に渡る。日常活動量など定量的な仕様に加え、幸福感・健康感・抑うつ・認知機能・生活習慣など、定性的な項目も多く見られる。球団でも、演出・球場施設や、来場手段に関するアンケートを実施し、シニアの方々でも見やすい観戦環境作りに生かしていく方針だ。