西武が2軍戦をネット配信する理由
記録としての価値、選手のモチベーションにも繋がる可能性
ソーシャルメディアの普及により、以前からファンのニーズはオンライン上でも見られていた。それでもなかなか着手できなかったのは、簡単な取り組みではなかったからだ。
それでも21回のリーグ優勝、日本シリーズ優勝13回の歴史を誇る埼玉西武は、そのルーツとなっている、育成の場である西武第二球場で開催される試合を、記録として残していく必要性を感じていた。
球界内でもマルチメディア化が進み、ビジネスモデルとして配信できるプラットフォームができてきたことで、埼玉西武もファンと共に若い選手の様子を伝えていく場をやっと形にすることができた。今後はファームでプレーする若手選手のホームランやファインプレーがハイライト映像としてクリッピングされ、「MLBアドバンスト・メディア」が運営するMilb.tv(マイナーリーグTV)が映像を扱うように、各ソーシャルメディアで拡散されていく機会も増えてくるかもしれない。
そうなれば、ファンにとっても将来1軍に上がって来る若手選手を知る機会となり、プレーする選手たちにとっても自らのプレーが多くのファンの目に届く可能性があることでモチベーションアップに繋がるはずだ。
さらに埼玉西武は国内ファンだけでなく、海外のファンに対しても映像を届けていくことも狙いの一つだ。郭俊麟投手、呉念庭選手、さらにはMLBでも登板経験のあるC.C.リー投手の3人の台湾国籍の選手が、埼玉西武には所属している。もちろんファンも球団も彼らの1軍定着を期待しているが、調整登板などの機会でファームに登板する可能性もある。