西武・秋山、216安打の偉業達成の裏側 「彼がいなければなかったかも」
刺激された存在、「何か一つ勝ちたいという思い」
「打った相手、打球方向、バッティング内容、そして試合が決まる1本だったこと、すべてがマッチしていました。彼のことを特別意識しているわけじゃないんですけど、同世代の選手だけでなく球界も背負ってやっている選手ですから、自分もなんとか喰らいついていきたいと思っていたんです」
もう一人、秋山選手を刺激した選手がいる。「彼がいなかったら、去年の記録はなかったかもしれない」とは、同じく同級生の福岡ソフトバンク・柳田悠岐選手のこと。彼の存在も、さらに奮起する材料となった。
「彼がどの分野でも秀でたものを出していく中、何か一つ勝ちたいという思いがありました。同じ土俵に立てるような相手じゃないし、立つつもりもなかったんですけど、お互いにいい数字を出していくにつれて、途中から『やっぱり負けたくない』と思うようになったんです」
2014年、柳田選手は日米野球の舞台でも活躍。秋山選手はその年目立った成績を残せず、その様子をテレビで観ていた。同級生として、同じ外野手として、何か一つでも負けないものが欲しい。選手として何か一つ、柳田選手だけでなく、ほかの選手たちにも勝てる武器が欲しい。216本という日本記録は、そんな気持ちで取り組んだ結果としてもたらされたものだった。