前々回覇者の龍谷大平安が2年ぶり4強 12回サヨナラで激闘制す
エース市岡が投打で活躍、小川がサヨナラ打
第88回選抜高校野球大会は28日、準々決勝が行われ、一昨年の優勝校・龍谷大平安(京都)が初出場の明石商(兵庫)に2-1とサヨナラ勝ちし、準決勝に進出した。
明石商の吉高壮、龍谷大平安の市岡奏馬の両エースの先発で始まったこの試合。両投手とも3試合目の登板ながら疲れも見せず、熱の入った投球を見せた。
試合が動いたは6回の明石商の攻撃。龍谷大平安の市岡が2アウトまで取るが、四球と死球で一、二塁のピンチを迎えた。明石商は3番・橋本和紀がレフト前へタイムリー。均衡を破った。
明石商は7回には1アウトから吉高が左越え三塁打で追加点のチャンスを得た。1回戦の日南学園(宮崎)でも見せたスクイズを仕掛けたが、見事に龍谷大平安バッテリーと、前進守備を敷いた内野陣に封じられ、空振り三振ゲッツーに倒れた。
直後の7回裏、流れを引き寄せた龍谷大平安は四球やヒットで1アウト一、三塁のチャンスから6番・冨田慎太郎のセカンドゴロの間に1点を返し、同点とした。
8回、明石商は先頭の藤井聖也の二塁打、続く後藤壮人の四球でノーアウト一、二塁。当然、送りバントの場面だが、龍谷大平安の内野陣はまたも執拗なバントシフトとバッテリーの配球で簡単にバントをさせず、1番・大西進太郎はバント失敗の空振り三振、続く2番の藤原祐介も送れずに空振り三振に倒れた。龍谷大平安は2アウト満塁とされたが、無失点に切り抜けた。
そのまま延長に突入した激闘を制したのは龍谷大平安だった。10回裏に満塁の好機を逃したものの、12回裏、この日2安打を放っていた先頭の市岡が右翼線二塁打。犠打と2者連続敬遠で1死満塁となると、9番・竹葉章人は空振り三振に倒れたものの、1番・小川晃太朗が左中間へサヨナラ打。熱戦を制した。近畿勢同士の激闘に競り勝った龍谷大平安が2年ぶりの4強進出を決めた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count