55年ぶりの決勝進出 高松商はなぜ強打の秀岳館打線を抑え込めたのか

初回から隠した球種を6回に解禁

 浦の持ち球にはスプリットがある。それを初回から隠したのだった。コントロールは乱れていなかったため、後に効果的になると思い、封印。6回までは直球、カーブ、スライダーだけで勝負。そして7回以降は1点も与えられないと考え、スプリットを解禁。スイングが強く、大きい秀岳館打線のタイミングを外し、空振りや凡打の山を築いていった。

 この大一番で思い切ってそのようなリードを見せた女房役、そしてその要求に応えた浦。バッテリーの力量が光る。

 明治神宮大会覇者はなかなか優勝できないと言われている。だが、長尾監督は「挑戦者のつもりでいけ」と気持ちをリセットして、チームを作り直してきた。

 思い切ってやるプレースタイルで選手たちは伸び伸びと野球をしている。その中に緻密さ、研究が加わり、今の強さを作りあげた。投打ともに力のある智弁学園とどんな戦いをするか、注目だ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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