引退3年目、辻内崇伸の今 いまだボロボロの左肩、それでも「後悔ない」
今年から東北へ、今も思い出す巨人時代の指導
だが結局、登板機会がないまま、同22日に出場登録を抹消された。この6日間が最初で最後の1軍帯同となった。13年に左肘遊離軟骨除去手術を受けたが、状態は思うように上がらず。再び左肩痛も発症したことから、同年オフに現役引退を決意。1軍でその剛腕を披露する機会はついぞ訪れなかった。
そんな男が次なる道に選んだのは、女子プロ野球の指導者だった。一度は野球とは関係ない仕事に就職を決めていたが、再びユニホームに袖を通すことができるオファーを断ることはできなかった。14年から2年間は埼玉に拠点を置くアストライアの投手コーチを務め、今季からは「レイア」の投手コーチに就任。リーグ戦には参加せず、若手の育成に特化したチームで指導している。
「チームにいるのは19、20歳の選手。まだまだですけど、面白いですよ。177、8センチぐらいある選手もいて、身長が高いんです。女子プロ野球の世界に入って3年目になりますし、女子野球の発展に貢献したい気持ちは強いです」
コーチとして3年目を迎えたが、指導者としての基本は巨人時代の経験にある。特に思い出すのが、入団から2011年まで指導を受けた小谷正勝投手コーチの姿勢だ。