バンデンハークに続け! 「米国以外」で戦ってきた新助っ人の活躍を占う
アマダーは果たして? 三振数を抑えられるかがカギ
アマダーはどうだろうか。アマダーは2013年にもメキシカン・リーグで36本塁打121打点の成績で打点王のタイトルを獲得するなど、2011年から見事なまでの隔年での活躍を見せてきた。真の実力はどの程度に見積もるべきか。
カギとなるのはK%(打席数に占める三振の割合)だろう。先ほど挙げた6選手は、メキシコから日本に来るにあたり、ほとんどの選手が三振を増やしている。増加の程度の中央値をとると約1.4倍になっている
昨年のアマダーのK%は19.0%で、これを単純に1.4倍すると26.6%。昨年のパ・リーグ平均が18.0%であるから、もしそのまま記録すれば散々な成績と言わざるを得ない。
K%が高くても、4月の99打席で9本塁打したアブレイユのように、長打力を早々に発揮できればその後も起用されるだろうが、首脳陣が続けて起用したいと思わせる何かを残さないと、アマだーが十分なチャンスを得るのは難しいかもしれない。ゼラス・ウィーラー、ジョニー・ゴームズと2人の打者に加え5人の投手が在籍するチームでの熾烈な外国人枠争いも、アマダーにとっては厳しい条件となるだろう。
DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta’s Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。最新刊『セイバーメトリクス・リポート4』を2015年3月27日に発売。集計・算出したスタッツなどを公開する『1.02 – DELTA Inc.』(http://1point02.jp/)も2016年にオープン。
【了】
水島仁・DELTA●文 text by MIZUSHIMA,J. DELTA