選手全員参加による23時の募金活動 ファン・選手・職員が一丸となった夜
選手の申し出に球団職員も胸熱く、それでも一つだけ気がかりが…
4月19日の夜。オリックスとの延長戦に敗れ、連敗は6に伸びた。年に一度の東京での主催試合「楽天グループデー」を終え、片付けに追われながらも、地下の一室でホワイトボードを前に話し合う職員たち。30人近い選手が同時に参加する募金活動をスムーズに運営するためにはどうすれば良いか。大規模な募金活動を安全に進めるためには、多くの人手と準備を要することになる。
議論は遅くまで続いたが、銀次選手からの要望に職員も胸が熱くなった。選手からの有難い申し出・心意気にみんなで応えたい。震災を経験した東北の球団として、九州のために協力したい気持ちは、選手も職員も同じだ。しかし、一つの疑念が残っていた。4月10日に球団通算700勝を達成して以降、一週間以上も勝利から遠ざかっている。この重苦しい状況の中、全選手が参加する募金活動を本当に行って良いのだろうか? もし、次の試合に敗れたら……。
翌4月20日、東京から慌しく仙台に戻ると、選手会と球団で話し合いの場を持った。試合結果に関わらず、試合後に募金活動を決行することを双方で確認。そして18時、オリックスとの試合が始まった。
寒さの残る4月の平日ナイトゲーム。優勝した2013年には1万6000人が最高だったこの時期の試合に、2万人のファンが詰め掛けた。試合は3点のビハインドとなったが、5回裏に聖澤諒選手・銀次選手の適時打で1点差に詰め寄ると、6回裏には嶋基宏選手の本塁打で同点に追い付く。