昨夏の甲子園で準優勝も「野球を辞めます」 消防士目指す仙台育英主将の今

消防士になるため「あれがいいプレッシャーになっています!」

「勉強もしないといけないし、あれだけ騒がれたし、バイトもやっているんですよ。それらを全部、できるかなと悩んでいました。それで先生(佐々木監督)に話したら『やった方がいいよ』と言われて。勉強だけだと辛くなった時に学校に行かなくなっちゃうからって。でも、野球を続けていれば、野球に行かなきゃとなって学校にも行く、と。『だから、やれ』と言われ、よし、やろうって思いました。今は、勉強も野球もバイトもできているので、野球を続けてよかったなと思っています」

 佐々木監督の言葉に背中を押され、勉強に野球、そしてアルバイトと“三足のわらじ”で充実した日々を送っているようだ。

「あれがあったので、絶対になるしかないよな、って思うようになりました。今は……なるしかないじゃないですか(笑)。それに向かって、猛勉強中です。あんなになっていて、なれなかったらかっこ悪いじゃないですか。運命ですね。なるしかないです。でも、自分としても嫌ではなかったし、元から頭にはあったので、こうなったら勉強して頑張ろう、と。あれがあったから絶対にならならきゃって思えたし、あれがいいプレッシャーになっています!」

 野球を続けながら、消防士へ。あの騒動も運命と受け止め、秋の試験に向かっている。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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