サブローからは「もっと長く」のリクエスト ロッテ名物アナウンス誕生秘話
逆転本塁打に興奮、マイクの線を抜いてしまったことも
正確に、そして明るく伝えることを常に念頭に置き、試行錯誤しながら今のスタイルにたどり着いた。語尾が長めになったのは90年代後半、選手に登場曲が付いてからだ。
「私も曲に乗って長くなりました。サブロー選手からは『もっと長く』とリクエストもありました」
明るく伝えるために、アナウンスをするときは暗い気持ちでいないように心がけている。
「困ったこと、つらいことがあっても、マイクの前では明るくいるように心がけています。ナイターの次の日のデーゲームなど、睡眠時間が短くなってしまったときは、海浜幕張駅からマリンフィールドまで、歌を歌いながら来ることもあります」
よく聞いているのはK-POP。中でもお気に入りのBEASTやCNBLUEの曲を歌いながら、気持ちを切り替えている。
スタジアムアナウンスを担当して今年で26年目になるが、今まで試合を休んだことは一度もない。風邪をひかないように、うがいをするなど予防を徹底して、体調管理に気を使っている。26年間の中で失敗してしまったことを聞いてみると、明るく前向きな谷保さんらしい答えが返ってきた。
「逆転ホームランの時、興奮のあまり自分の足でマイクの線を抜いていたことがありました。今は冷静にやっていますよ」