阪神、球児“復活”と新星台頭で「今季分岐点に」 上昇気流に乗る可能性も

藤川は「登場曲だけで雰囲気を変えてしまった」

 何よりも、藤川の圧倒的な存在感が、阪神にとっても大きいという。初セーブを挙げたゲームでは、実は甲子園に不穏な空気が漂っていた。「8回の攻撃で、中日の田島に簡単に抑えられた。前の日(17日)も、田島にやられて、最終回に逆転されていた。そういう雰囲気で、球場が重くなっていたんです」。しかし、藤川の登場で一変したという。「金本監督が球審にコールして、球児の登場曲がかかった瞬間に球場でものすごい歓声が上がって、田島が抑えたのなんてどこかに吹っ飛んでしまった。登場曲だけで、雰囲気を変えてしまった」。これが抑え投手には必要な要素でもあると、野口氏は指摘する。

「あれだけ球場の雰囲気を作れる選手ですから。本当にクローザーとして持っておきたい要素の1つ。クローザーが出てきただけで相手が諦める。球場がそういう雰囲気になる。現時点でも、球児は雰囲気を変えるだけのものを持っていますから」

 阪神では今季から加入したマテオが本来の守護神。現在リーグトップタイの10セーブだけに、野口氏も「コンディションが戻れば、当面はマテオが一番後ろでしょう」と言う。

 ただ、20日の試合では1点リードの状況でマウンドに上がった助っ人右腕は、四球と暴投でピンチを招くと1死三塁からエルドレッドの犠飛で同点とされた。「マテオのセーブ失敗が続くようなことがあったら、球児の良いボールの確率さえ上がっていれば、入れ替わってもおかしくない。マテオだったら、相手も『何とかなるかもしれない』と思いますからね。たまに炎上することもあるので。ただ、球児が完全復活したら、相手は『手も足も出ない』と思うようになる」と同氏は指摘する。

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