周囲の評価覆す急成長 オコエ瑠偉はいかにして進化を遂げたのか
プロ1年目の飛躍は必然?
当時の各メディアの報道も「ナイジェリア人の父を持つ」という形容詞が必ず使われ、どちらかというと野球の実力よりも珍しさに注目が集まっていた。
それが、どうだろう。オコエは春から夏にかけて急成長を見せ、周囲の評価を覆していった。夏の西東京大会では、今も高校野球ファンの語り草となっている“センター前二塁打”をマーク。甲子園では背走しながら大飛球を捕球する超ファインプレーを演じ、土壇場で初の4強入りに導く決勝2ランを打つなど、走攻守どれを取っても超高校級のレベルを見せつけ、一躍、各球団の1位指名候補に浮上した。
その急成長は、本人の高い意識と吸収力に支えられていた。甲子園の後に出場したU-18W杯では、ボールに対してやや遠回りする特徴的だったスイングを西谷浩一監督(大阪桐蔭)の助言でトップを早く作る打撃フォームに改造。チームメートの仙台育英・平沢大河(現ロッテ)のタイミングの取り方を見て学び、準優勝に大きく貢献した。
こうして見ると、プロ1年目に見せている飛躍も、オコエが辿ってきた軌跡からすれば必然なのかもしれない。