ビシエドとバンデンの実力は? ホーナー&郭泰源との比較で見えてくるモノ
華々しいデビューは果たしたが“尻すぼみ”と言わざるをえない最終成績も
もちろんこれは彼らの華々しい期間を切り取ったものでしかない。1年目のシーズンの最終成績は以下の通りで、デビューの鮮烈さから考えれば、だいぶ地味なものになる。
ホーナーの場合はシーズン途中で腰を痛めた影響もあるので、彼が失速したというのははばかられるが、それでも最初の数試合で披露した圧倒的なパワーに抱いた期待感からすると、個人的には物足りない成績に感じたのを覚えている。
さて、ビシエドの成績も彼らのような形に落ち着いてしまうのだろうか。確かに5月以降ペースダウンした感は否めず、打率も3割を切った。そうした危惧をされるのも仕方がない。
254打席で15本塁打を放っているビシエドの本塁打割合(全打席に占める本塁打の割合)5.9%は、驚異的なものではないが、250打席を超えても一定の割合にある(セ・リーグ平均は2.0%)。一方で三振割合(全打席に占める三振の割合)は14.2%とセ・リーグ平均の18.3%を割っており、ホーナーやキラなどと比べても低い。ビシエドの「長打力を発揮しつつも、あまり三振をしない打者」という姿が見えてくる。
ビシエドはメジャー通算1798打席で388三振を喫し三振割合は21.6%、昨季プレーしたAAA級2リーグでも15.9%と、どちらかといえばボールを見極めずバットを振っていくフリースインガーだった。それを思えば、日本では忍耐力を持って打席に立てている気配がある。
ちなみに、ホーナーは来日前、メジャーでの3966打席で三振は489、三振割合は12.3%だったが、日本ではこれが18.3%へと上昇している。とらえれば高い確率でスタンドまでもっていけたからではあろうが、ボールの見極めに限っては甘くなっていたふしがある。ビシエドはその轍を踏んでいないようだ。