パ・リーグもメジャーも進める海外進出
一歩先を行くメジャーの海外進出策 南アにアカデミーを設立
今年5月、残念ながらジカ熱の影響で中止となってしまったが、マイアミ・マーリンズとピッツバーグ・パイレーツの試合はプエルトリコで開催予定だった。プエルトリコは厳密に言えば、アメリカ合衆国の自治連邦区であるため海外とはならないが、メジャーは毎年のように海外でオープン戦や公式戦の開催を試みており、将来的な国外での球団数拡大、国際ドラフトの導入など、世界への発展が常に話題として上がっている。
また、メジャー主催で2006年にワールドベースボールクラシック(WBC)が始まったのは、メジャーの国際化をさらに進める意味があることはすでに認識されているが、2017年大会では予選から過去最多の国数が競い合い、本戦出場を目指した戦いを繰り広げている。
南アフリカのような国がWBCという野球の世界大会に顔を出す要因を作ったのは、メジャーの海外進出の努力によるものだろう。2011年、メジャーは南アフリカのケープタウンにアカデミーを創設。このアカデミーはアフリカ大陸中から選手をスカウトし、選手はメジャー組織で指導をするコーチたちの下で野球を学ぶだけでなく、トレーニングや栄養学について学ぶ時間も設けられている。そして、2012年には選手育成だけでなく、指導者向けのカンファレンスも開始した。「野球不毛の地」から選手を発掘するだけでなく、国全体の野球の底辺拡大と発展をサポートしている。