超俊足男はどうなった？　U15侍J鹿取監督が今後も侍で見たい選手・野手編

鹿取氏「五十幡が印象度では一番、強く残っている」

「1番打者に起用して、五十幡はショートゴロを打ったんですけど、相手のショートは普通に処理してもセーフになってしまった。両手をあげて（WHYのポーズをして）いましたよ。海外の選手が『なんでだろう？』って顔をしていましたから」

　時には二塁ゴロもセーフになることもあったといい、「盗塁は自分のタイミングでいかせていました。お前は『足だけでプロにいける』と言ったこともありますね」と鹿取氏。アメリカの選手たちもパワーやスピードはあったが、足の速さは誰にも負けなかった。当時のU-15メンバーは強豪高校に進み、投手の藤平尚真（横浜）、捕手の石原彪（京都翔英）らが今秋のドラフト候補に挙がっているが、「五十幡が印象度では一番、強く残っている」と鹿取氏は話す。

　ただ一方で、実際に足だけでプロ入りし、生き残っていくことは難しく、「トータルバランスも重要。高校の3年でどう変化していったかを見たいですね。足だけではなく、打って、守れる選手じゃないとプロに入れたとしても、通用はしない。そこ（3拍子）の部分でもがんばってもらいたい」とエールを送った。今夏の栃木は5年連続出場している作新学院を筆頭に、青藍泰斗、文星芸大付、白鴎大足利、栃木工など群雄割拠。五十嵐のその超俊足が甲子園で見られるか。

　そのほかにも、鹿取氏が見守っている選手は多く、「U15だったメンバーのその後は気になります。甲子園でテレビに出ていればうれしいし、当時のメンバーの一覧の名前を見ると、『がんばっているかな』と思い出したりします。次の世代でも侍ジャパンのユニホームを着られる選手を育てていきたい」。指揮官は教え子の活躍を温かく見守りながら、育成に力を注いでいく。

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フルカウント編集部●文　text by Full-Count